先日は秦野市に空き家管理に行ってきました。
依頼主は県外にお住まいで、ご両親が施設に入所されてから半年ほど空き家になっている
お宅です。玄関前のポストには郵便物やチラシが溜まり、庭は雑草が伸び放題になっていました。
ご近所の方から「空き家になっているのですか?」と声をかけられることも増えていたそうです。
このように実家が空き家になるのは突然のことも多く、対応が後手に回りがちです。
親の入所や施設への入所、あるいは相続で家を受け継いだもののすぐに住む予定がない…
そんなときに「とりあえずそのまま」にして放置してしまうと、家の劣化や近隣トラブル、
さらには防犯上のリスクも高まってしまいます。
そこで今回は、実家が空き家になったときに最初にやっておきたい5つのことを
具体的にご紹介します。これは売却や賃貸などの活用方法を検討する前に、
最低限取り組んでおくべき”初期対応”です。
1.通水と排水の確認
長く人が住んでいない家でまず問題になるのが「水回り」です。
蛇口やトイレを使わないままにしておくと、配管の封水が蒸発し、下水の臭いが室内に
充満する原因になります。さらに害虫の侵入経路にもなりかねません。
実際に秦野市のお宅でも半年間通水をしていなかったため、キッチンの排水口から強い
臭気が立ち上がっていました。水を流し排水口を洗浄することで改善されましたが、
放置していれば壁や床に臭いが染みついてしまう恐れもあります。
空き家になったらまず、水回り(キッチン、浴室、洗面所、トイレ)すべてで水を
流しておく事が大切です。
2.換気で湿気を逃がす
人が暮らしていない家は、湿気がこもります。窓を開けて空気を循環させるだけで、
カビや畳の変色を防ぐことができます。特に梅雨時や夏場は、数か月でカビが発生
することも少なくありません。
先日、別の管理先に1年以上換気をしていなかった和室では、畳が湿気で変色
していました。定期的な換気さえ行っていれば防げた事例です。
雨の日は避け、30分程度の換気を心がけると効果的です。
3.郵便物やチラシの整理
ポストに溜まった郵便物やチラシは、空き家であることを周囲に知らせるサインに
なってしまいます。空き家や不法侵入のリスクが高まるだけでなく、近隣の景観を
損ねる原因にもなります。
秦野市のお宅でも、ポストに回覧板が何日も残されたままになっていました。
近所の方が気を利かせて取り出してくださったそうですが、これは住人に代わっての
負担になってしまします。
郵便局の転送サービスを利用するなど、できる限り整理しておきましょう。
4.近隣への挨拶・連絡
実家が空き家になったことを、隣近所に伝えておくのも重要です。
「しばらく空き家になりますが、管理はしていますのでご安心ください」と一言伝える
だけで印象は大きく変わります。異変があった時に知らせてもらえることもあり、
地域との信頼関係を保つためにも欠かせません。
空き家の問題は所有者だけでなく、地域全体の安心に関わります。
近隣とのコミュニケーションが、思わぬトラブルを防いでくれるのです。
5.火災保険や管理体制の確認
意外と忘れがちなのが火災保険です。人が住まなくなった住宅は、保険の補償対象外になる
ケースがあります。もし万一の火災や台風被害が発生した時、保障が受けれない可能性が
あるのです。
また、自分で定期的に管理できるかどうかも冷静に判断する必要があります。
遠方に住んでいる、忙しくて頻繁に通えないなど、そんな場合は、専門の空き家管理サービス
に依頼するのも一つの選択肢です。月1回の見回りでも、建物の劣化や近隣への迷惑を大きく
減らすことができます。
これらの5つを意識しておくだけで、空き家を【放置している家】から【守っている家】へと
変える第一歩になります。
当社では、定期的な通水・換気・清掃・近隣確認といった空き家管理サービスを行っています。
もしご自身での管理が難しい場合は、ぜひ一度ご相談ください。